木造弥勒菩薩像新造顕記念特別展

日程 : 令和3年10月17日~11月30日


當麻寺中之坊に伝わる絹本着色『弥勒菩薩画像』は、室町時代に描かれた貴重な仏画ですが、著しく損傷しておりました。 そこで、平成3年はじめより修復が行われることとなりました。掛軸は同年5月に修復が完了し、長期間かけることも可能な状態になりました。

さらに、掛軸のお身代わりとして、新たに木造にて弥勒菩薩像を制作することが発願され、大分県の佐藤順教仏師がその趣旨に賛同され、新像の制作とご奉納をいただくこととなりました。
木像は平成30年10月から制作が開始され、3年の歳月を経て完成。今回、その新造顕の記念として、原画の掛軸(室町時代)と新造顕の木像が霊宝殿にて同時に公開されます。
また、あわせて當麻寺の根本本尊である弥勒佛像(金堂所在)を描いた仏画も特別公開となりますので、ぜひご参拝ください。

  • 絹本着色 弥勒菩薩画像 室町時代 當麻寺は金堂の弥勒佛を本尊として創建されたため、當麻曼荼羅の阿弥陀信仰だけでなく弥勒信仰も盛んで、室町時代には中之坊にて弥勒菩薩さまの画像が制作され弥勒詣りの参詣者を受け入れました。現在も中之坊は大和十三仏第六番の弥勒菩薩の札所として信仰されています。

    当掛軸は「慈氏念誦法」にしたがって描かれた品格のあるお姿で、五智宝冠を被り、蓮華と宝塔を持しています。

    当画像は激しく損傷していたため、平成30年に修復が行われました。
  • 仏画「當麻寺本尊 弥勒如来像」中村幸真筆 當麻寺は當麻曼荼羅の信仰がひろまったため阿弥陀浄土の寺として知られていますが、そもそもは弥勒佛を本尊として創建されました。その弥勒佛像は金堂のご本尊として安置されており、今も根本本尊として大切にお祀りされています。

    当図「當麻寺本尊 弥勒如来像」は、仏画の第一人者として知られる中村幸真(種智院大学教授)画伯が金堂の国宝・弥勒佛坐像を模写したもの。一般の方が写仏できる写仏手本としても機能するように描かれており、當麻寺中之坊写仏道場の写仏の原画にもなっています。
  • 天井画「蓮上弥勒佛四天王像」弓手研平筆≪後期展示11/3より≫ 写仏道場に飾られている天井画。

    葛城市にアトリエを構える洋画家・弓手研平(ゆんでけんぺい)氏によるもので、當麻寺の原点である金堂のみほとけ「弥勒佛」と「四天王」が蓮から生じるさまが表現されています。

    弓手氏の技法は「全ては土から生じる」という考えから、絵の具に砂を混ぜて下地を作る独特のもので、今作品では、當麻寺金堂の弥勒佛坐像が塑像(土製の像)であることに重ねられています。
  • 木造 弥勒菩薩像 佐藤順教刻 このたび新たに造顕された弥勒菩薩像で、大分県の佐藤順教(佐藤公道)仏師により制作・奉納されました。

    楠材で総高150cm。五智宝冠や蓮華・宝塔などが絹本着色弥勒菩薩画像(室町時代)に倣っているほか、光背は国宝・弥勒佛像(飛鳥時代)の光背の特徴を取り入れたものとなっています。

    佐藤順教(公道)師は、大分県国東市の仏師で、仏像彫刻工房『如法』仏像彫刻工房『如法』を主宰されています。
    仏像彫刻工房『如法』
期間令和3年10月17日~11月30日
受付中之坊
拝観料特別拝観料は不要です。
通常通りの中之坊拝観料(大人500円/小学生250円)で拝観できます。
拝観時間9時-17時
問い合わせ中之坊
  • 御朱印札 このたびの新造顕にあわせてご尊影の御朱印を授与いたします。
    朱印は精緻な消しゴムハンコ作家として知られる「つまびきや」様の制作で、絹本着色 弥勒菩薩画像をもとにお姿が彫られております。
    ※ 摺り置きでの授与です。
    ※ 10月16日は導き観音祈願会にご参列の方にのみ授与。
    ※ 10月17日以降は、拝観される方に授与されます。
    ※ 冥加料:500円