04.陀羅尼助の作り方

  • 1300年来の製法  当麻に伝わる陀羅尼助は「千三百年来の製法」といわれています。各地に伝わる陀羅尼助の中でも、最も古式な伝統的製法により作られ続けたのが「当麻の陀羅尼助」なのです。
     その製法は、毎年大寒の日に井戸から汲み上げた3石6斗の水を用いて、32貫目の薬草(黄檗の樹皮と青木の葉)を赤松の薪により土間の大釜で焚き、3升3合にまで煮詰めるというものです。その際非常に特徴的なのが、仏菩薩への供養の真言である「陀羅尼」を、何千、何万遍と読誦しながら焚き上げるということです。この陀羅尼の読誦こそが、「陀羅尼助」の効き目を左右するといわれています。(→「陀羅尼」)
     また製薬期間を大寒の一週間に限定するのも、古い伝統です。
    水が腐らないといわれる「寒の水」を用いるというわけです。中之坊には役行者さんが清めた井戸が今も水をたたえて残っています。
  • 不動護摩法  中之坊の玄関口には、その古い歴史を物語る大釜が大きく構えています。しかし、あまりに古い伝統を伝えすぎていて、あまりに古い設備であるが故に、皮肉にも現在の厚生省による製薬基準(GMP規格)に適合し辛くなり、ついに昭和58年より製薬を休止しました。
     現在中之坊では、吉野大峯の陀羅尼助をお分けしています。成分、製法とも、伝統的なものを伝えています。
     しかし、當麻寺中之坊の1300年伝統である「薬草と加持力の両面による救済」という本旨を貫くため、毎月一日に弘法大師御請来の不動明王息災護摩法によって、陀羅尼助に陀羅尼をお唱えし、ご祈祷を行っています。お大師さまも常に、祈祷と施薬という両面から治療を心がけておられたわけです。(→「心身への施薬」)ちなみに高野山にもこの「陀羅尼助」が弘法大師さまの創製として伝わっています。

     當麻の「陀羅尼助」に付されている字(シールまたは朱印)は、お不動様の「体」・「名」・「力」をあらわすシンボルマーク(種字:「しゅじ」といいます)で、「カン」あるいは「カ-ン」と読み、お不動様の功徳のしるしです。お不動様の御宝前にてご祈祷をしたしるしとして付けています。
  • 1300年の製法写真館